2010.01.30 | Comment | Trackback Ping
正直、バカにしてた。 予告を見た時点で、なんでよりによって主人公が「じいさん」なんだ、と。 オモチャやロボットはCGで表現しやすいから、海や動物はCG表現への新しい挑戦があるからっていう技術的な面もあるけど、子供向きアニメとしても、意外と多い大人のファン向けにしても、どの層ともかぶらない「じいさん」でどんな話になるのか、良いとこ、ガンコじいさんが子供と絡んでいい人になっていく話なのかな、程度...
2009.10.13 | Comment | Trackback Ping
いつもよりかなり多くの人に会って、いろいろと重い話の多かったシルバーウィークの疲れを癒すために会社を早く出てレイトショーに行ってみたら、思いの外重くてますます心が静かになって一人帰路についた。説明の少ない、語らない映画だから、心が求めているように写るのかもしれないけど。 その「重さ」は、例えば、長いこと人と触れあってなかったから、生身の人の身体って結構重たいんだな、ということを改めて実感した...
2009.10.09 | Comment | Trackback Ping
ひとつ訊いても良いかな? キミが見てきた世界は、哀しいものばかりだった? 何か美しいと思うものはなかったかな? 人形作家が、「心」を持った自分の人形に問うた言葉に、うかつにも涙がこぼれた。 ふつう、空気人形が体験する世界は、美しさなんてない、醜いものばかりの世界だから、心を持った空気人形がそれ以外の世界の中に美しさを発見したこと、酷い仕打ちを受けてきた見返りを少しでも得ることができたのか。 ...
2009.06.03 | Comment | Trackback Ping
GWにBSでやっているのをたまたま見つけて観直してみたけど、やっぱり良い映画だと思った。ただ、今回たまたま親も一緒に観ていて、いつもなら「なんだこれ」で済ませて寝入っていたはずなのになぜか興味いっぱいに観た後に、「結局何が良いの?」と改めて訊かれてちょっと困った。 うーん。 この映画の、何が良いんだ? 「蒼井優のタルい声」ではもうごまかせない、か。...
2009.03.20 | Comment | Trackback Ping
年老いて4年間一線を退いていた一人のハリウッド俳優が、久しぶりの復帰作としてインディペンデント映画への出演を考え、その取材のために訪れた郊外のスーパーマーケットで出会った一人のレジ打ちパートさんに、迎えが来なかったので家に送り届けてもらいがてら、転職活動のお手伝いをすることになったという奇妙な一日を追っただけの、ただそれだけの映画。 それだけの映画なのに、好きだなー、この映画。好きだなー、モ...
2009.02.11 | Comment | Trackback Ping
スーパーカーと強い男が格好良くて、ゴージャスなホテルとセクシーな女が美しい。 人はそれを手に入れるために、この世界を日々生きている。 誰もが。あなたも。・・・僕も?...
2008.12.22 | Comment | Trackback Ping
大いなる陰謀 9.11からイラク戦争へ至る対テロ戦争を勝利に導くべく新たな作戦を立案した上院議員と、その取材のため独占インタビューを取るジャーナリスト。その作戦で前線に立つ二人の兵士。大学で政治学の教鞭を執る教授の部屋に呼び出された学生。それぞれ違う立場から、同じ「戦争」という出来事に、どう関係し、どのような行動を起こすのか。 とてもフィクションだとは思えない。歴史で習う戦争、ニュースで知る...
2008.11.16 | Comment | Trackback Ping
利休の庭に見事な朝顔が咲いている、という噂を聞きつけた太閤秀吉が、朝早く起きて出かけたのに、どこにも朝顔が咲いていない。ガッカリして、いや、半ば怒りを覚えて、いつものように利休に迎えられて茶室へ入ると、床の間に一輪の朝顔が生けてあった。 自然と作為のバランス、期待と失望の心理効果、ミニマリズム。そんな利休の美意識を端的に表すエピソードから始まる、茶人千利休の晩年を三國連太郎が穏やかにしかし神...
2008.09.14 | Comment | Trackback Ping
クローン戦争? あー、SF映画によくあるネタね。 繰り返される日常。無限ループ。輪廻転生。やっぱり押井ワールドだ! そうだね。きっと、5年くらい前に観ていたら、僕もこのあたりに落ち着いていたかもしれない。映画を見終わって、周りの人の感想を聞いてみたりしたけど、案外みんなちゃんと筋書き通りの感想を言い合っていて、そうか、やっぱり映画にはいろんな見方があるんだなと思った。...
2007.07.21 | Comment | Trackback Ping
マリーアントワネット (2007年アメリカ)ソフィア・コッポラ 監督 / キルスティン・ダンスト 夏本番の合図。学生たちに青春を謳歌する自由を告げる鐘となる「海の日」は、「豪華食事付き高級ホテル一泊ツアー」という仮面を被った全社会議と翌日の棚卸しのために、大阪帝国ホテルに軟禁されていました。 今まで貧乏ながらも最大限に衣食住の充実のために、メディアからの情報だけでなく、五感を駆使して情報を...
2007.06.03 | Comment | Trackback Ping
プラダを着た悪魔 (2007年アメリカ)デイビッド・フランケル 監督 / メリル・ストリープ アン・ハサウェイ 「忙しくて、つい...。私生活も危機だし。」 「仕事が上達するとみんなそうなる。全私生活が崩壊するよ。」 今日もまた、天王寺と心斎橋のデパート、ファッションビルをハシゴしてきたけど、結局何も買わずに帰ってきてしまいました。お金はあるかないかではなくどう使うかを信条にしている自分にと...
2006.08.20 | Comment | Trackback Ping
ALWAYS 三丁目の夕日 (2005年日本)山崎貴 監督 / 吉岡秀隆 堤真一 昭和33年の東京夕日町.建設中の東京タワーが背景にそびえつつあるその町に,大企業の社長秘書という妄想を胸にうっかり商店街の自動車修理工場へ青森から集団就職してきた少女と家族,その向かいの駄菓子屋で売れない小説を書く作家と酔った勢いで引き取ってしまった子供を主軸に,悪人なんて微塵にもいない,家族もお隣さんも縁もゆか...
2006.05.04 | Comment | Trackback Ping
カナリア (2005年日本)塩田明彦 監督 / 石田法嗣 谷村美月 無差別テロを起こしたカルト教団から保護され児童相談所へ送られた子ども達.始めは反抗的だった彼らもみな時と共に次第になじんでいく中でただ1人抵抗を続けた少年は,祖父の元へ1人引き取られていった妹を取り戻すために,相談所を脱走した.95年にサリン事件を起こしたオウム真理教とそこで生きた子どもを題材にしたフィクション. 例えば漫...
2006.04.02 | Comments(2) | Trackback Ping
過去へ戻ってそれを修正するチャンスを得た男が,「間違った選択肢」のために不幸を背負ってしまった人たちを救済するための「最良の選択肢」を探す旅を続ける物語. 誰しも「あの時ああしてれば良かったのになぁ」と思うことってあると思います.けど,人生にとってあらゆる過去の出来事は単なる事実に終わりません.人は人生におけるあらゆる経験から何かしら学び取りながら成長していきます.だから,過去のある出来事が...
2006.03.30 | Comment | Trackback Ping
来週末に結婚を控えたプレイボーイのために,2年前に離婚した自称作家の友人が,独身最後の週を謳歌するためのワインツアーを企画するが,その平和なはずの旅行で起こるべくして起こった「寄り道」での出会いを描くというありがちなロードムービー.で,何度と無く後ろから蹴りを入れたくなるくらい暗くネガティブ思想なダメ男が,陽気なプレイボーイに翻弄されているうちに,小さな愛のきっかけを見つけるにいたるまでを描い...
2005.12.30 | Comment | Trackback Ping
魔女に死に方を教えられたり,巨人とともに街を出たり,愛する人のためにサーカスで働いたり,息子誕生の日に巨大な魚と格闘したりと,どう考えても嘘くさい過去しか語らない父親をずっと信頼できずにいた息子が,父の最期にその真実を知ろうとする. 印象的だったのは「平凡で面白くない真実と,エキサイティングな作り話とどっちがいい?」というようなセリフ.大切なのは「真実」なんだろうか.たとえ今まで歩んできた人...
2005.08.20 | Comments(5) | Trackback Ping
※壮大にネタバレを含みます.未見の方は自己責任で. 船上で生涯を過ごした天才ピアニスト.その暖かく小さな世界に育った彼にとって,外の世界は,今のささやかな幸せを犠牲にする価値が全く見出せない程に無意味に広大すぎだったということなんでしょうか? 世界は「鍵盤が無限個あるピアノ」のように,その可能性は果てしなく無限大に見えます.が,人生の選択肢は実際歩んでみると思いの外少ないことがわかります.そ...
2005.06.03 | Comment | Trackback Ping(1)
人里離れた田舎で余生を送る2人の老人の元へ,母に捨てられるようにして暮らすことになったウォルター少年.実は彼らは大きな財産を隠し持っているという話を母から聞かされていたが,2人は,それは昔アフリカで大冒険を繰り広げたときに族長との闘いで勝ち取った財宝だと言う. 「それって本当の話なの?」 「信じたければ信じればいい.本当かどうかは関係ない.」 善いことと悪いことを「判断する」力も大切だけ...
2005.04.29 | Comment | Trackback Ping
死後の世界,死後の生なんて存在しないからこそ,今この世界での「生」が貴重で大切にしなければならないものなんだという点において,映画の大部分に違和感を感じながらの鑑賞になってしまいましたが,しかし死後の世界を考えると言うことは即ちそれが今生きていることの証であり今生きていることの大切さを想っていることの証になっているという点において,やっぱり観て良かったと,みんなも観ておくべきだと思いました. ...
2005.03.07 | Comments(3) | Trackback Ping
スクリーンに魂が溶け込んでいく感覚.近未来の姿として映し出された上海に放り出される一人の訪問者.あらゆる文化が押し寄せ混ざり合い,伝統も固有色も消え失せてしまった街.何一つ自分との繋がりを見つけることのできない世界において,彼はもう自分の存在を定義するための外部を認識できなくなり,彼のアイデンティティは静かに消滅する. 絶対的な浮遊感.その世界へ,極端に個人的な視点を追う無機質な色使いの映像...
2005.02.09 | Comment | Trackback Ping
いつの頃からか,「ダンス」にも興味を抱くようになりました.ダンスの芸術的な位置付けは「人間の身体による表現」の実験と実践.人間は誰しもが個別の「身体」の中に収まっており,何らかの活動をする度に必ずその「身体の動き」が発生します.だから身体の動きと経験が結びつき,そこに意味が生じ,それを抽出,解釈し,表現へと昇華させたのがダンス(日本語だと「舞」が適切な訳語?)です. ダンスは(大抵BGMとい...
2005.01.20 | Comment | Trackback Ping
50年代のアメリカの保守的お嬢様大学に赴任した美術教師が,卒業したら結婚して家庭に入ることが自分の唯一の人生と信じて疑わない女学生らの,このままでは活かす場もなく埋もれていくだけの才能の原石を何とか輝かせることはできないかと奮闘する物語. 戦時中は女性も重要な労働力,けどそれが終われば家庭回帰が推進され,さらに10年もすれば女性解放運動の逆風が吹き荒れる.じゃあそれが正解かと言えばどうも怪し...
2005.01.16 | Comment | Trackback Ping
日本人がどれだけキリスト教と無縁の日常を送っているかということは,実際にキリスト教圏内で1ヶ月くらい生活してみて初めて,そして激しく実感できるんじゃないかと思います. 以前,語学研修でカナダで生活してたとき,本当にたまたま,わざわざローマから法皇様がご来訪になるという希有なイベント(World Youth Day 2002 @ Tronto)に遭遇し,「世界的に有名なイベント」って言われたけ...
2005.01.15 | Comment | Trackback Ping
CM出演のために来日した往年の映画スターと,写真の仕事で来日した夫に連れられて独り東京での時間をもてあます女を通して描かれる,東京を舞台にしたヒューマンドラマ. 普段の生活でも自分の居場所を見失いがち.それが東京という日常から遠く離れた,コミュニケーションもロクにできない,親しい人間のほとんどいない地に放り出されることでさらに強調される孤独感,浮遊感,憂鬱.そんな遣り切れなさを抱える2人が出...
2004.12.29 | Comment | Trackback Ping
第二次世界大戦時,ナチ占領下のチェコから逃れイギリス軍と共にナチと戦ったチェコ空軍のパイロット達.指揮官として常に部下を気遣い冷静な判断を必要とされるフランタと,自分の小ささを恥じ何とか名誉を挙げようと焦る血気盛んな若者のカレルの,友情,戦い,あるいは愛に対する姿勢の対比.一方は複雑で深く,一方は真っ直ぐで瑞々しい. 友情も愛情も取り戻せるはずだった平和な日常も,確かにそこにあったはずのもの...
2004.12.22 | Comment | Trackback Ping
あと数日で収監されるジェームスブラウンフリークのヤクザの親分が25年前に生き別れたままになっている娘に会いに行き,弟分たちは親分のためにジェームスブラウン拉致を決行したらそっくりさんと間違えて,娘は娘でテーマパークのイベントとしてそっくりさんショーをプロデュースしようとしてたりして,良くもまぁ考え付いたハチャメチャ(死語)なプロットをパッチワークのように巧に繋ぎ合わせて,濃くて魅力あるキャラ...
2004.12.12 | Comment | Trackback Ping
スキャンダルを起こして謹慎後結局干されてしまった役人さんと,生きる目的を無くして5年前に捨ててきた娘に一目会いたいと願う風俗嬢が,共に行き場を無くして追われるように,北海道の雪山へとたどり着く.自分の好き勝手に生きてるように見えて実は何一つ自分の思うようには生きてこれなかった二人.そんな彼らがこの地に向かった目的は,つまりもう二度と彼の地へ帰るつもりが無かったと言うこと. 今,生きるのに不器...
2004.12.10 | Comment | Trackback Ping
土曜日の夜にダンスクラブのお立ち台でさんさんと輝く「ダンスキング」も,日常に戻ればしがないペンキ屋のバイト,それ以外はちまちまとダンスの練習,父親は失業し期待の兄は重圧に負け退職→家出,ホールで出会ったインテリ女にはアホなガキだと相手にされず,うまくいかない人生に次第に全てが茶番に思えてきてますます投げ槍になっていき,目標もないまま同じところをグルグルと廻るだけの負のスパイラル. どうしよう...
2004.11.30 | Comment | Trackback Ping
『シンドラーのリスト』(1993年アメリカ) ポーランドのユダヤ人強制収容所の人間を使い軍需製品を製造することで財をなそうと考えたドイツの実業家オスカーシンドラーが,なりゆきでユダヤ人らの命を救い,彼らから思いもしない感謝を送られているうちに,最終的には成した財をすべてなげうって多くのユダヤ人をアウシュビッツ送りから救うことになった一連の物語. ところで,何か事業を起こすと言うことは,そこで雇...
2004.11.29 | Comment | Trackback Ping
『花とアリス』(2003年日本) ポッキーのCMでしたっけ? つまり二人の女の子が登場してすったもんだするという物語です.自然体の中にキラリと光る原石を持つ女の子を,自然体でなおかつ時折キラリと輝かしく撮りあげる最近の岩井俊二的フィルムワークの詰め合わせ.毒気が全くなくて終始まぶしくて微笑ましくて. 言いたいことは他にも山ほどあるけど,あえて誰も言及しないところをすくい上げておくと,なんかアリ...
2004.11.17 | Comment | Trackback Ping
1918年ドイツ.画家を目指して万進していた貧しい一人の男が,あるいはその小さな才能を小さく開花させてしがない画家として人生を静かに終えた可能性もあったのに,何が彼を史上最悪の破滅の使者へと導いていったのか.その皮肉な運命の一端を,彼をサポートしていた画商マックス・ロスマンとの友情をからめて描いた作品. 第2次世界大戦というカタストロフに突き進んでいく序章が垣間見えます.前大戦での多額の賠償...
2004.11.13 | Comment | Trackback Ping
『姉のいた夏,いない夏』(2001年アメリカ) 幼い頃に自分と母を残してヨーロッパに旅立ち,そのまま帰らぬ人となった姉.以来姉の姿がずっと離れなかった妹が,成長した今,姉の軌跡をたどるためにヨーロッパに旅立つ. 死に至る姉の人生をトレースすることは,必然的に彼女とシンクロし,まるで死神に手を引かれるように最終的な運命すらも共にしてしまいがち.それを振り切り,拾い集めた姉の魂の欠片を取り込んで糧...
2004.11.10 | Comment | Trackback Ping
『サウンドオブミュージック』(1965年アメリカ) トラップ一家物語.1930年代,ヒトラーが台頭しだした頃のオーストリアを舞台に,突如7人の子供の家庭教師を任されることになった修道士マリアの愛にあふれたミュージカル.まさか知らない人はいないと思うけど. スクリーンからは最初から最後まで洪水のような幸せのシャワー.明るく前向きで子供や主人を心の底から愛する真っ直ぐなマリア.その愛に応える子供た...
2004.11.07 | Comment | Trackback Ping
『ポロック』(2000年アメリカ) 40~50年代に一世を風靡したアメリカの代表的抽象画家ジャクソンポロックの半生を描いた映画. 画家の生涯を理解するにはその作品を見るのが最良にして唯一の方法と信じてはいるけど,ポロックが乗り移ったとしか思えないエドハリスの演技の域を遙かに超えた見事なポロックぶりからも伺える,現実に存在した「天才」を映画として描くことの難しさを総力を挙げて乗り越えて作品として...
2004.11.06 | Comment | Trackback Ping
『ニキータ』(1990年フランス) 強盗に加わった挙げ句にためらいなく警官を撃ち殺した薬中少女が政府組織によって殺人マシーンとして訓練され,その後の幸せな日常生活の中に突如舞い込む暗殺任務に苦悩する姿を描く,リュックベッソン初期の傑作.これで成功した設定を抽出しさらに発展させたのが名作「レオン」であり,つまりレオンがYawara!だとしたらニキータはHappy!. ハリウッドによるリメイク作品...
2004.11.02 | Comment | Trackback Ping
『モンスター』(2004年アメリカ) 80年代のアメリカに実在した連続殺人犯アイリーンの半生を描いた映画.彼女を連続殺人という狂気に導いたのは何だったのか.娼婦として蔑まれ続けた環境によるものか,その中で唯一見つけた愛の欠片に固執したためか,あるいは暴力を受けた復讐心が肥大し男たち一般へと向けられたのか. ちょっと待て,この映画は,同情によって,あるいは愛の名の下に,連続殺人犯の凶行を正当化し...
2004.10.24 | Comment | Trackback Pings(2)
ラブコメの女王メグライアンがそのイメージを根本から打ち砕くべく女優生命を捧げて挑んだ力作.ドキュメンタリー映画「デブラウィンガーを探して」で各女優が口を揃えていたように,十分に成功を収めているように見える彼女たち女優にとっても,だからこそ金のためでも名誉のためでもなく純粋に「女優としての喜び」を味わえるような仕事を求めていると言うこと.本来はニコールキッドマンをイメージして書かれた脚本に,メグ...
2004.10.23 | Comment | Trackback Ping
『ムーンライトマイル』(2003年アメリカ) 婚約していた彼女が突然の死.落ち込む彼女の両親の支えになるだろうと,青年はそのまま彼らの家にとどまり,彼女と父親の希望通りに父親の仕事を手伝うことになる. けど実は,彼女の死の3日前に婚約は解消していた.彼らの家にとどまり仕事を手伝う理由は何もない.けど真実を打ち明けて彼らをガッカリさせたくない.それに家を出たとしてとりたてて何かやりたいことがあ...
2004.10.21 | Comment | Trackback Ping
末期ガンで死に向かう歴史教師として冴えない人生を送ってきた父親と,彼に逆らうようにして数学や経済を学びビジネスマンとして成功した人生を送っている息子.すっかり仲違いしていた親子が「最期の時間」を共に過ごすことで,本当はお互い愛していることを確認し合うことができたという幸せ.最期の時を仲の良い友人に囲まれ,豊かな自然の中で安らかに迎えられる幸せ.結局何一つ成し遂げられなかったが,最期には家族への...
2004.10.14 | Comment | Trackback Ping
『DOGVILLE』(2003年フランス) 手法の斬新さは開始5分で慣れるからご心配なく.これは映画じゃない.舞台...でもない.小説(朗読)のようでもあり,ラジオドラマみたいだという人もいる. 用意されたのは,一目で,カメラ1台のアングルで,文字通り村のすべて,地形,建物,街路だけでなく,建物内部の様子,そこで生活するすべての人間,その行動までもがホントにすべてが筒抜けになっている舞台セット...
2004.10.13 | Comments(2) | Trackback Ping(1)
『KILL BILL Vol.2』(2004年アメリカ) 一瞬間違えて黒澤映画を借りてきたのかと思ったけど,うん,間違いなくあの続編です.ていうよりも,これとあれ,合わせて1本の映画でありそれ以外の何ものでもなく,単に暴れまくって拡散させた前作のストーリーを,今作がしっかりと回収しまとめ上げ,さらに中身の詰まった物語として完成させたと言うこと.ばきばきと腰が折れまくるストーリーの後ろで一本ばしっ...
2004.09.30 | Comment | Trackback Ping
『きょうのできごと』(2003年日本) 行定勲,妻夫木敏,田中麗奈,池脇千鶴,山本太郎に北村一輝という邦画ヤングチームが送る,仲間の引越祝いに京都のボロ屋で飲み会をするという,ただひたすらにオチもなくイミもなくヤマもない日常を描いた映画. つまり「そうか,こんな生き方もあるのか」みたいなこと.今っぽい人生のサンプル集.共鳴できる経験は何もないけれど,片意地張って生きるのはむしろバカらしく自分に...
2004.09.18 | Comment | Trackback Ping
麻薬不法所持で24時間後に7年間収監されることになった男.ウォール街で証券マンとして充実した独身貴族生活を送る親友.生徒に色目を使われてまごまごする冴えない高校教師のもう一人の親友.彼らと,彼らの様々な関係者と,9.11テロの傷跡が生々しく残るニューヨークに渦巻く怒りと悲しみを材料にして,一人の人間のおよそ80年というユニークな物語を紡いでいくこととはどういう事かを問う映画. スクリーンを満...
2004.09.01 | Comment | Trackback Ping
『私は「うつ依存症」の女』(2001年アメリカ) 人間の感情は常に1つではなくて,何種類かのしばしば相反する感情が,不安定なシーソーのようにあっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら,ある割合と確率で同時に存在しているんだと思う.自分よりも何よりも我が子の幸せを願う気持ちと,自分の満たされ無さを我が子の成功という目標を立てることによって埋め合わせようという気持ちが同時に存在し,絶えずどちらにも定ま...
2004.08.26 | Comment | Trackback Ping
題材が「クレヨンしんちゃん」という子供向け映画だったにも関わらず,各方面の批評家やクリエイターから「天才」の名を欲しいままにしていたアニメーター湯浅政明が,自分の持てる力をすべて自分のやりたいように放出しまくって生まれた作品.と言っておけば他に説明の必要は全くないと思わなくもないけど,つまり,世界は自分が存在しなくてもいつもどこかで勝手に廻っているけども,それと同時に「自分の世界」を廻してい...
2004.08.04 | Comment | Trackback Ping
家族愛には敵いません 最近の紹介作品ラインナップを一瞥するに,ここがオタクサイトになりつつあることが否めない雰囲気が漂いつつありますが,もういいや.何とでも言ってくれ.これを紹介しなかったらこのサイトの存在意義どころか僕が今まで生きてきた意味すらも失われかねません. ウラ東京,新宿中央公園(OZONE帰りとかに立ち寄ったし.そのときの写真も)で生活する,自称元競輪選手のおっちゃん,元ドラァ...
2004.08.02 | Comment | Trackback Ping
そう思うには自分はまだ若すぎるはずなのに,そもそもそんな甘く切ない経験があった記憶は全くないのに,大体生まれも育ちも純粋日本な訳なのに,なんなんだろう,この言いしれぬ懐かしさは. 70年代のアメリカ.郊外のとある家庭の,街中で噂になるような美人5人姉妹が,全員立て続けに自殺してしまう.そこに描かれるのは,同年代の男の子どころか成長した彼らにすら結局何1つとして理解できない(だって「13歳の少...
2004.07.22 | Comment | Trackback Ping
新時代のナディアでありラピュタでありナウシカでもあり,もちろんアキラでもあり,近いところではメトロポリスを思い出しました.そう,破壊です.破壊のカタルシス.結局スチーム城は何のために作ったんだろうという謎に突き当たったけど,つまり盛大に破壊したかったんですよね.えぇ,その点においては120点満点で大成功だと思います.なんかいろいろ難しいことを考えようとしてたけど,クライマックスに来てすべて忘れ...
2004.07.11 | Comment | Trackback Ping
自衛隊派遣を問い直す 1993年ボスニア戦争のさなか.ボスニアとセルビアの中間地帯にボスニア人とセルビア人の兵士が取り残される.そこでときどき心を通わすのに,ときどき殺すか殺されるかの一触即発の衝突を繰り返す,煮え切らない二人のヒューマンドラマを通して,戦争の愚かさ,虚しさを問う.ボスニア出身の監督による作品. もちろん戦争は愚かなことだという感想を持ち,平和を願って終わることもできる.だが...
2004.07.08 | Comment | Trackback Ping
ローマの休日 (1953年アメリカ)オードリーヘップバーン グレゴリーペック "不朽"の名作と言う言葉は,まさにこういう作品のためにある言葉だと思います. ドレス姿ですらりと歩く彼女.大胆なショートヘアにカットしちゃう彼女.広場の階段の踊り場でジェラートに夢中になる彼女.ベスパで二人乗りする彼女.真実の口で手を食いつかれる演技に悲鳴を上げる彼女.ホントに,今更としか言葉が見つからないくらい...
2004.06.28 | Comment
お熱いのがお好き (1959年アメリカ)ビリーワイルダー監督 / マリリンモンロー 最近,古い映画のDVDレンタル化が流行ってるようで,その中からまた一本選んできました.あの「ププッピドゥ♪」で超有名な挿入歌が聴ける,マリリンモンロー主演の「お熱いのがお好き」です. と,知った口で書いてますが,例の如くマリリンモンローを観たのは初めてです.この映画を選んだのだって大好きな某テレビ番組を思い...
2004.06.02 | Comment
下妻物語 (2004年日本)中島哲也 監督 / 深田恭子 土屋アンナ 乙女のバイブルと世間を騒がしている嶽元野ばら氏の小説が,もはや当たり前のように映画になりました. 時は21世紀,ところは茨城県下妻市.そんな田舎の田んぼ道の上に物凄く強烈な不協和音を放つフリフリロリータ少女と,そんな田舎にもはや自然発生的に生息する典型的ヤンキー少女の,有り得ないはずの奇妙な友情劇をハイテンポなコメディ調で...