2004.12.12  

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『風花』(2000年日本)

 スキャンダルを起こして謹慎後結局干されてしまった役人さんと,生きる目的を無くして5年前に捨ててきた娘に一目会いたいと願う風俗嬢が,共に行き場を無くして追われるように,北海道の雪山へとたどり着く.自分の好き勝手に生きてるように見えて実は何一つ自分の思うようには生きてこれなかった二人.そんな彼らがこの地に向かった目的は,つまりもう二度と彼の地へ帰るつもりが無かったと言うこと.

 今,生きるのに不器用なのは,ひょっとしたら時間が解決してくれるのかも知れない,と.彼らのように,現実以外に仮想世界を持たず,クソな現状にも無理に抗ったりせず流れるままに任せ,その範囲で自分のやれることをやりたいように,ごく自然に生きている姿がすごくカッコイイと思った訳ですが,その生き方はたぶん30代,今から10年も先のことで,その10年の間におそらく自分も沢山の経験を積んで,ものすごく変わってて,だから彼らのように自然にこの世界を生きていけるようになるのかも知れない,と.
 この世界は無数の人生の繰り返し.みんながみんな,同じようなステージを通過しながら,生まれ,育ち,死んでいく.その中で形成されていく他人とのコミュニケーションというネットワークの中で,みんなが少しずつ幸せになっていく仕組み....独りで生きてるのはとてつもなくでかい損失かも知れない,と.

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