現代アートがさっぱりわからない人向けの、ライフハック風現代アートの楽しみ方。

2011.05.18  

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Contemporary Art In a museum

先日、久しぶりに現代アートの展示会を見に行った際、
そのときは珍しく一人じゃなくて連れがいました。
しかも、アート鑑賞なんてほとんどしたことがなく、
現代アートがさっぱりわからないタイプの人

そんな人にでも、現代アートは楽しめるはず。
じゃあ、自分はどういうところを楽しんでるんだろう。
そんなことを改めて考えて気がついた、自分なりの「現代アートの楽しみ方のポイント」を
ライフハック的にまとめてみました。

 

Art to Own

1. 自分が「欲しいもの」を探す

美術展に行ったら
1つだけでいいから「自分が好きなもの」を見つけるといい、
とよく聞くけど、ここはあえてもう一歩踏み込んで、
「自分が欲しいもの」を探してみよう

もしこの中で、1点だけプレゼントしてくれるとしたらどれがほしい?

いやいや、うちは狭くてどれも置く場所ないし......と、
ついつい否定的に考えてしまう人には、
それを展示する部屋も一緒にプレゼントしますよ!
さぁ、どんな部屋がいい?

というわけで手に入れちゃったら、次はどうしよう。
大事に押入れにしまっておく?部屋に飾る?
思い切って庭に展示するのもありかもしれない。
誰に見てもらおう。その人に、どんなことを感じてもらおうかな。
(こんな作品が好きな人なんだ。)
(センスがいいなぁ。)(金持ってるんだな。)...などなど。
いいことも悪いこともいろいろ思われるかもいれない。
その言葉の、どれが今の自分に似合うだろう。

そんなふうに、服を選ぶように、アートを選ぶ

とにかく、もっと貪欲に、
どの作品のどんなところが自分の感性と共感するのかを探求してください。

アート作品をもっと具体的で身近なものとして捉えられること請け合いです。

 

Art for Public

2. それが似合う空間を想像する

今度は逆に、自宅(ある空間)に似合う作品を探すんじゃなくて、
その作品に似合う空間を想像してみよう
さっきは個人的な視点だったから自分の興味ある作品しか目に止まらなかったけど、
今度はもう少しプロフェッショナルな視点になって、
全ての作品それぞれの前に立って考えることができます。

モダンな邸宅のリビング、玄関ホール、ベッドルームに飾ってありそうだな。。
こっちは同じリビングでも、もっとレトロで暖かい空間が似合いそう。
巨大企業ビルのエントランスロビーなんて格好良さそうだ。
いやいや、街の広場とか、駅や空港のような公共空間がいい。
この作品はシックな小料理屋なんかにあったらハクがつくんじゃないかな。
とか。

アートは美術館の中だけにあるものじゃない
むしろそれは、ディーラーのショールームに置いてある自動車みたいに特殊な状態。
アートが置かれるのは、別に美術館じゃなくてもいい。
ホントはもっといろんなところにあって
いろんな人にいろんな気持ちを抱かせてる。

だから、自分の頭の中で、どんどんそれを外に持ち出してみよう

そうすると今度は、美術館以外にあるアート作品への見る目も養われます。
駅や企業のビル、レストランやオフィスを飾るアートにも、
なんでここにこれが?と気づくはず。
そして、そのうち、ビルそのものや高速の高架とか電信柱や石ころなどの、
アート以外のものにも「アート性」を発見できるようになったら上級者。

きっと世界がどんどん楽しくなってきます。

 

Making Art

3. どうやってつくられたのか考える

アートはもちろん、どんな作品でも、
自分と同じ生身の人間がどうにかして作ったもの
だから当然、同じ生身の人間である自分にだって、物理的には同じものが作れるはず。
さぁ、どうやって作ろう。
「これと同じものを作ってください」と頼まれたら、
どっから手を付けよう。

ちょっと考えてみただけでも、
すごく単純で当たり前な、すごいことに気が付くことがある。

巨大な作品は、その巨大な材料を調達したり加工するのがすごいのは当たり前だけど、
それを置くのに巨大なアトリエが必要だったりする。
少なくともうちの狭い部屋じゃ作れない。

逆に緻密な作品は、冷静に考えると気が狂いそうになるくらい
チマチマと同じ作業を延々繰り返して作られていることに気づく。
もしかしたら本当に気が狂っているのかもしれない。

それに、細部はホントに緻密なのに、全体としてはダイナミックで物語を感じる。
そのマクロスケールの物語は、緻密な作業のどの段階で生まれたんだろう。
最初から構想してたのかな。
それとも行き当たりばったりの1つの結果なのかな。
そのどちらであっても面白い。

そうして、作られた作品=結果だけでなく、
プロセスにも思いを馳せて、自分と対比させてみることで、
アート作品が創られた理由や世界観に、
少しだけ、リアリティをもって、
近づいていけるような気がします。


まぁとにかく。

難しく考えないで楽しもう。
意味なんて理解できなくたっていいんだ。感じよう。

大事なのは、理解しよう、とか、感じよう、とするその態度なんだから。

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