そう思うには自分はまだ若すぎるはずなのに,そもそもそんな甘く切ない経験があった記憶は全くないのに,大体生まれも育ちも純粋日本な訳なのに,なんなんだろう,この言いしれぬ懐かしさは.
70年代のアメリカ.郊外のとある家庭の,街中で噂になるような美人5人姉妹が,全員立て続けに自殺してしまう.そこに描かれるのは,同年代の男の子どころか成長した彼らにすら結局何1つとして理解できない(だって「13歳の少女だったことがないから」),少女の繊細なこころ,神秘,危うさ,エロティシズム.
タイトルからもあらすじからも,主題としたのは「女の子」なんだけど,男の自分が観てもそんなこと忘れてどっぷり作品にはまっていけるほど,これは「男の子」も描写されてる映画です.一足先に成長期のテープを切った女の子達.自分たちはいつまで経ってもガキっぽいままなのに,同じ歳のはずなのに妙に大人びて見えた女の子達.そんな彼女たちにドキドキしてしまうだけの男の子達.
というわけで,ロックなサントラが秀逸すぎだし,やりすぎなくらいの70年代サイケファッションも格好良すぎだし,僕の(存在しなかった)青春の記憶と共に宝物にして一生大事にしたいような作品です.もっと回数重ねれば,もっと良さがわかるような気がします.DVD高いけど.
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