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※値段やコピーは架空のものです |
リハビリテーションのつもりで、最初はユルく行きましょう。
実はこのハンガー、我が家にあるもののなかで一番の古株かもしれません。高専入学時の寮生活備品として親に与えられて以来、途中2年間の実家生活を含め(その間は確か母が使ってた)、過去3回の引越にも紛れることなく、自分でも信じられないけどかれこれもう12年目に突入しようという長寿命。
あぁ、それだけ思い出や愛着があって、さぞかし大切にしてきたお気に入りの一品なんだろうなー、と思ったあなた! 今日はそんな心温まる話をしたいんじゃありません!
ぼくはこのハンガーを全く微塵も好きじゃないんですよ。もうかれこれずっと長いこと、例えばオールステンレスとかの格好いいハンガーに買い換えたいなーと思い続けてます。それなのに、洗濯物を勢いよく引っ張ってもピンチが外れない。使い終わった後にその辺に放り投げておくのにうっかり踏みつぶすこともない。別に特別手荒に扱ってるつもりはないけど、ふだんからそそっかしく荒々しいぼくの手にかかっても全然壊れない。それが一番信じられない。
もう一点はこちら。一人暮らし始めるときに揃えたものなので今年度で5年目に入ります。別に見てくれはそんなに悪くないと思います(SANYOのは格好いいけど他に合わせられる家電が無いのが欠点、ていうか最高の褒め言葉)。予熱お知らせ機能くらい付いてるべきだと思うけどそれも譲ります。けど、何が許せないかって、これ、ボタンがめちゃくちゃ押しにくいんですよ。どこを押したらいいのか良くわからない。ストロークがほとんど無いので押せたかどうか物理的にわからない。それでいて反応が鈍くて押したつもりでも押せてない。5年目に入るくらい使い慣れてるはずなのに、未だにそんな状態です。こんな大欠陥、デザインした人は気付いてない訳ないんですよ。それに目をつぶって世に流通させてしまった罪。そんな罪を背負ったバッドデザインプロダクト。そんなものさっさと駆逐されてしまうべきなのに、これもまた全然壊れる気配無し!畏るべきミツビシパワー。
この経験から学ぶべきことは2つあって、まずは、一般に壊れやすいとイメージされがちな安物でも実はかなり丈夫だったりする、逆に壊れにくく丈夫だとイメージされがちな値の張るものでも案外あっけなく壊れたり致命的な欠陥を潜在させていたりする、そういった価格やブランドのイメージと現実のプロダクトの間にしばしば起こるギャップに注意しなければならないこと。
そしてもう1つは、こっちの方が大事なんだけど、一度選んだプロダクトはその寿命が尽きるまで使い果たさなきゃいけないんじゃないかということ。本当のエコロジーな買い物というのは、環境負荷の少ない素材を使ったり耐用年数の長いものを作ったり長く使っても飽きのこないデザインを描いたりするといった「ものを作る側の責任」ではなく、そのプロダクトを使い、最終的に処分を決め、その間にそのプロダクトがどれだけの利便を生み出したかという「ものを選び使う側の責任」にそのほとんどを負っていると思います。
例え妥協の結果であっても、メーカーの自画自賛キャッチコピーに騙されたとしても、一度選んだものをまだ使えるままゴミ処分場に持っていく権利は、もはや今の時代には誰一人持ち得ないんじゃないでしょうか。そういった「消費者側の責任」に対する意識が変わらない限り、いくらデザインや素材や耐用年数に工夫を凝らしたプロダクトを作っても、その努力は永遠にエネルギーの浪費にしか結びつきません。
まぁ平たく言うと、ものを買うときはちゃんと処分するときのことまで考えて選びましょう、て言いたいだけなんですけど。
ユルくする約束だったので今日はこの辺で強制終了(汗
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2007年5月19日 21:47 | 返信
実はこのページは以前から拝見しておりました。
トリノが凄く好きで、特に寄木細工のようなアノ美しさ!
いつか欲しい!!と思い、たびたび立ち寄っておりましたが、いつもはROM専門。
しかし今回の記事で、たまらずコメントしたくなりました。
そんなわけで前置きが長いですが、はじめまして、だぽです。
ご意見に真っ向賛成!
私も一度買うと、まず壊れるまで捨てません。
それを前提にしているので、間に合わせのものを買いません。
結構「コレが無いと生活に支障をきたす!」モノというのは、少ないです。
気に入ったものが見つかるまで、買わなくても良いのさ♪と思っています。
コレって、市場経済には逆行する考え方なのかも知れませんネ。
ちなみに、我が家のハンガーは一人暮らし開始の時に買った、オールステンレスです!エヘヘ・・・。
2007年5月22日 08:37 | 返信
はじめまして。
お返事遅くなり申し訳ありません。
(シカトしてるんじゃないんですよ。お返事考えるのに時間食ってるだけなんですよ~
> 気に入ったものが見つかるまで、買わなくても良いのさ♪と思っています
全くその通りなんですが、でもいざ本当に必要なものがでてきたときに、選べなくて困ることが良くあります。お高い良品は確かに良いけど、現実的に買えない。小皿くらいの小物なら買えても、家具スケールになったら? そんな買い方してるといつまでたっても小物ばかりが部屋にあふれる状況から抜け出せないな~というのが最近の実感です。
不便なつもりは無くても、何か買い足したときに便利を感じるということは、普段はやっぱり不便を強いられてるのかもしれないし。
以下に低予算で気に入ったものをそろえるかも、大事なセンスなのかと思う今日この頃。
これって、記事やコメントに逆行する考え方なのかも知れませんネ。(ぉぃ
これからも刺激になるようなアヴァンギャルドな記事を書いていきますので
ちょくちょく書き込みに来てください(^^