2006.03.30  

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サイドウェイ(2004年アメリカ)

 来週末に結婚を控えたプレイボーイのために,2年前に離婚した自称作家の友人が,独身最後の週を謳歌するためのワインツアーを企画するが,その平和なはずの旅行で起こるべくして起こった「寄り道」での出会いを描くというありがちなロードムービー.で,何度と無く後ろから蹴りを入れたくなるくらい暗くネガティブ思想なダメ男が,陽気なプレイボーイに翻弄されているうちに,小さな愛のきっかけを見つけるにいたるまでを描いたプチロマンスというのが個人的見解.

 大人になると人付き合いをより円滑に進められるようになると結論付けてみたものの,もちろんそれが大きな足枷になる場合もあることを忘れたわけではありません.それを「経験」という側面から見た場合,年を追うごとに積み上がっていく経験が内在する情報量を増加させ,その人を理解するためにさらに多くのコミュニケーションが必要になると予想されること.さらにその経験が大きな「失敗」である場合,それを繰り返さないために似たような危険な橋を渡らなくなってしまうか,以前よりも大きな見返りを期待するようになってしまいがちです.
 でも,結局大事なのは,いくつになっても「今何がしたいのか」を明確に,確実に追求できるか否かなんですよね.なんで経験から学ばなければいけないのか.所詮は人間でしかないのだから学ぶにしても限界はある.だからきっと失敗は繰り返される.けどそういう失敗を繰り返しながらも,自分がしたいことを追求し少しずつ実現していくことが「楽しく幸せな人生」をつくっていくんじゃないかなぁと思います.

 そうそう,「経験」と言っても,平凡な人生をのほほんと過ごす自分にそんな多くの実経験は望めないけど,それでも「経験から学ぶ」ことが全くできないかといえば,それはちょっと違います.
 ウソも100回言えばホントになると言われるのと同様に,疑似体験も100回くらい繰り返したら1つの経験になるかもしれない.そんな「ウソで固められた人生」であっても,何も無いよりはずっと良いだろうというのは,『ビッグフィッシュ』以来の人生の結論です.
 要するにそれが僕にとっての「映画というもの」の全てであり,そのことを久しく思い出させてくれた映画でした.

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