何にも動じず受け入れる姿勢でいれば 一日はこんなにも楽しい

2009.03.20  

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『素敵な人生のはじめ方』 素敵な人生のはじめ方

 年老いて4年間一線を退いていた一人のハリウッド俳優が、久しぶりの復帰作としてインディペンデント映画への出演を考え、その取材のために訪れた郊外のスーパーマーケットで出会った一人のレジ打ちパートさんに、迎えが来なかったので家に送り届けてもらいがてら、転職活動のお手伝いをすることになったという奇妙な一日を追っただけの、ただそれだけの映画。

 それだけの映画なのに、好きだなー、この映画。好きだなー、モーガンフリーマン。

 例えばスーパーで出会った見知らぬ人に「素敵だね、よく似合ってるよ」とか「目がキレイだね」とイヤミ無く気軽に褒めてみたり、山積みされたパック売りのTシャツに「質が良い。これがこの値段なんて?!」と純粋に感動してみたり、ガソリンスタンドで洗車を手伝ったり、今日出会った限りの人の面接の成否を本気で心配してみたり。
 そういうささやかなことに、まるで子供のように真正面からぶつかって、全身でよろこびを表現するのって、真似しようと思ってできる事じゃない。普通は、心の底からそう思ってないと、自然にそれをだすことなんてできない。いや、仮に思っててもきっと上手く表現できない。
 だからさすがハリウッドスターの演技力!って言いたいんじゃなくて(あれは演技というより「自然体」なんだと思うし)、僕は単純に、自分には演技はできないから、自然にそれを表現するために、ささやかなことに心の底から喜べるような、子供のように純粋な心を持ちたいと思った。今は難しくても、モーガンフリーマンくらいの歳になったら、そういう人になっていられたらいいなと。

 ハリウッドスターを相手に気後れせず、気丈で芯が通ってて、脇目もふらず自分の人生と闘っているのに、面接前には緊張してふるえているパスベガも、とてもキュートで魅力的。そんな二人の掛け合いもまた絶妙で、こんな人たちのようになりたいなーと思う。やっぱり良い映画だ。うん。

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