2006.09.11  

このエントリーをはてなブックマークに追加  

『ニライカナイからの手紙』(2005年日本) ニライカナイからの手紙 (2005年日本)
熊澤尚人 監督 / 蒼井優 平良進

 7歳の誕生日を前にして母親は沖縄竹冨島を去り,父親とも死に別れていたその女の子は以来島の郵便局長を務める祖父と共に島での生活を送ることになる.年に一度の誕生日に手紙をもらう以外,一切の消息がわからない母親.祖父も黙して語らない.何か事情があることには気づくが「20歳になったら真実を教える」と綴られていた手紙を信じて待つことにした.やがて高校を卒業した彼女は,写真家になる夢を胸に,1人東京へ飛び出していく.

 「がんばろっ!」ていうのが,しっとりとしたエンディングを見送った後に開口一番飛び出した言葉.住民みんながひとつの家族のように暖かく愛や信頼に溢れる楽園のような故郷から,砂漠のように生きるのに厳しい谷底に転落したとしても,そこでへこたれずにひたむきにがんばっていれば,いつかまわりからも認められてそこが新しい故郷にだってなるかもしれない.風季はいつ島に帰っても「おかえり」と暖かく迎えられるだろうし,でもきっと島に長居しすぎると東京から「早く帰ってこい」なんて言われたりするんだろうなぁ.
 結局,理想の楽園は,自分で作るにしても既にあるところに飛び込んでいくにしても,自分の努力無しには成立し得ないというか,「たのしくがんばれる」ことそのものが楽園なのかもと思ったり.

夢を叶えるのはとても大変なことだけど,諦めずに続ければきっと夢は叶うと,お母さんは思います

 「自分が欲しいと思っていた」というお母さんの言葉.これはでも,そっくりそのまま僕も欲しかった言葉かもしれないし,次の世代に送るべき言葉だと思う.そういう意味でも,こういう言葉達を常に自分の心にインプットしておき,自分の経験と絡めて次の世代に伝えられるような,そんな人間になれたらいいなぁというのも,遠い目標に設定しようと思います.

 蒼井優の演技は自然体で天然なのかと思ってたけど,違うね,やっぱりすさまじい演技力だね.高校生のあどけなさ,新人のおどおどした目つき,仕事に慣れ小さな自信を得て真っ直ぐ前を見る顔.う~ん,僕はいつになったらこういう顔ができるようになるんだろうか.

SHARE THIS ARTICLE

  • ブログランキング・にほんブログ村へ

COMMENT AND SHARE

COMMENT

POST A COMMENT

TRACKBACK PINGS

TRACKBACK URL:

http://www.k-en.net/blog3/mt-tb.cgi/4