第二次世界大戦時,ナチ占領下のチェコから逃れイギリス軍と共にナチと戦ったチェコ空軍のパイロット達.指揮官として常に部下を気遣い冷静な判断を必要とされるフランタと,自分の小ささを恥じ何とか名誉を挙げようと焦る血気盛んな若者のカレルの,友情,戦い,あるいは愛に対する姿勢の対比.一方は複雑で深く,一方は真っ直ぐで瑞々しい.
友情も愛情も取り戻せるはずだった平和な日常も,確かにそこにあったはずのものが,すべて知らないうちに壊れてしまうのが戦争のもう一つの影.けど,あえて戦争に対して直接的な責任追及をせず,皮肉な人生の無常観を捉えることで,ヒューマンドラマとしての深が増しています.
そしてそんな物語のリアリティにさらに彩りを与える空中戦.最初,CGとか特撮を使っているんじゃなくてホントに実機で撃ち合ってるとしか思えず,それが返って臨場感とリアリティを与えています.CGのための映画ではなく,映画のためのCG.
これを観た後にはパールハーバーが如何に陳腐な作品だったかを改めて思い知らされることになったのは言うまでもありません.
「良いヤツはみんな死ぬ.」 紅の豚の良さがわかる人にはもれなくオススメ.
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