ものに満たされ何も要らなくなった末に 本当に必要なもの

2010.05.24  

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ideaco / Modern in Wilderness Polar Bear

 「シロクマ」って言っても気づいてもらえなかった、黄色いシロクマ(笑

 なんでシロクマなんだよ?!
 しかもなんでこんなにリアルなの? 怖いって!
 デカイし!(全長30cm×高さ15cm 両手いっぱい)
 ていうか何の役にも立たないし!
 それで黄色いなんてもう訳がわかんない!

 でしょ。

 けどね、これ見た瞬間に、これは買って帰らなきゃいけない!っていう衝動が、僕を捕らえて放さなかった。
 そりゃ、僕だって理性を総動員して考えたよ。こんなの買ってったって何の役にも立たないし、飽きても気軽に捨てられる大きさじゃないし、邪魔だし、お金の無駄遣い以外の何物でもないやん。見なかったことにして、帰りにビール飲んで寝ようよって。

 でも、いくら冷静に考えても、この衝動は抑えきれない。
 その衝動の正体を知るためにもこれは連れて帰らなきゃいけない。

 結局そっちが勝った。

 そもそも、無駄遣いって何だ?
 そもそも、お金って何のために使うものだ?

 実は最近、物欲がすっかり無くなってきて、別にあれもこれも欲しいってものがない。いや、服も欲しいしカメラも欲しいし時計も欲しいし、iPhoneやソファや車だって欲しいといえば欲しいけど、そういうの全部、今更なんで自分が買わなきゃいけないのかがわからなくて買うに至らない。

 別に自分が買わなくたって、みんな持ってるんだよね。

 それを自分が買ったとしても、追いつくことはできても、それ以上は越えられないよね。

 良いものはいっぱい観てるし、限られた予算の中で、そこそこ良いものを選んでそこそこいい生活を演出することは、たぶんそんなに難しいことじゃないと思ってる。けど、そんな誰もが普通に思い浮かべるような普通の生活を作り上げて、一体どこに自分らしさがあるんだろう。
 自分にしか創れないライフスタイルを、自分の手でデザインしたい!

 なんていう大それた目的があるわけでもないけど、最近はなぜかこういう、普通とはかなり逸脱したプロダクトに、魅力を感じることが多くなってきた

 ものが溢れて満たされて、何も必要がなくなった果てに、本当に必要になるものって、こういうものかもしれない、って。

ideaco / Modern in Wilderness Polar Bear
ideaco
Modern in Wilderness 'Polar Bear'
¥2,940

 もう一度「なんでシロクマなんだよ?!」って疑問にちゃんと答えると、絶滅危惧種に指定されている動物だから。このシリーズはシロクマの他に、ペンギンやサイ、カバなど、環境破壊で絶滅が危惧されている動物をモチーフにしてる。そして、このプロダクトによる収益の一部は、国際自然保護連合日本委員会に寄付される、というコンセプト。

 そう。もはやこれはインテリアオブジェじゃなくて、1つの立派なアート作品なんだと思う。
 これが目に入るたびにそんな環境破壊や自然の大切さを思い出させてくれる。
 そんなものだからこそ、部屋に置いておきたいと思う。
 お金を払って買いたいと思う。

 かわいくもないし、デカイくて何の役にも立たないし、あげくに黄色かったりするけど、それもすべてコンセプトにうまくはまっている、優れたデザインのプロダクトだと思う。

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