サマンサタバサ 世界ブランドを作る |
ブランドや製品を知ってもらう。
欲しい、買いたいと思ってもらう。
前職で広報をやっていたにも関わらず、今まで広告の役割はこの程度だと思っていた。けど、サマンサタバサが、ヒルトン姉妹やビヨンセ、エビちゃんをキャラクターに起用する理由はそんなことじゃない。
買ってもらったブランドがどれだけすごいブランドか 買ってない人に知ってもらう
買ってもらったブランドがもっとカッコいいブランドになるようにイメージアップする
他人から褒められて嬉しくない人間はいないから、やっぱり良いものを買って使っていたら「いいものを使ってるね」とか「そんないいもの買えるなんてすごいね」と言われて、喜ばない人はいない。
いくら、「自分が使うものだから自分さえ満足すればいい」と思っている人でも、他人からそれを褒められたときの満足感は、確実に、自分が使ってる満足感に上乗せされる。
「製品の価値は、使ってる人の満足感に等しい」と考えられる今の時代、「人から褒められる」という満足度が得られる製品は、そうでない製品よりも確実に価値が高く、高い価格でも売れるはず。※
サマンサタバサがすごいのは、それをいろいろと計算してやっているというよりも、単純に「ビヨンセが宣伝してるなんてカッコいいよね」とか「エビちゃんがかわいいって言ってくれたら嬉しいよね」みたいに感覚的に理想イメージを決めて、それを本気で実現しちゃっているところ。
そして、そのイメージアップの目的が、知らない人に製品を買ってもらうためじゃなく、製品を買ってくれた人に対して、もっと満足してもらうためのプレゼントになっていること。
名前をつけただけじゃブランドにはならない。良いものを作ってるだけでもブランドにはならない。それと同じように、良いイメージを流布するだけでもブランドにはならないが、それはブランドを成立させるための近道、最も重要な要素だと思う。
いくら良いものを買っても、多くの人がそれを知らなくて褒めてくれないようなものは、やっぱりちょっとだけ残念な気持ちになってしまう。
ブランドを知ってもらうこと、ブランドの良さをわかってもらうことは、製品を買ってもらうためだけじゃない、買えない人にも、買った人のすごさをわかってもらうことも同じくらい大切なのかもしれない。
※5万円の椅子は高くて買えないけど、5万円のジャケットは頑張ってでも買う。特に20代までの若い人が、インテリアよりも断然ファッションにお金をかける理由が、まさにそこにある。ファッションは常に多くの人に見られて評価されるけど、インテリアをみてもらう機会なんてほとんど無いから。自己満足だけのものの価値は低い。
この本、ネットショップに関してもすごく示唆に富んだヒントをくれていて、今は実店舗は「買い物をする」という楽しみを提供するレジャーで、ネットショップは便利さを提供しているが、便利さは安さの追求になってしまい付加価値を生まない、今後はネットショップでも「レジャー」を与えられるかどうかがキーになってくる、と。
これはきっと、今後の僕の本職に関わってくることだと思うので、ひとまず心にとめて、また別の機会に考えたいと思います。
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