夏バテ必至の「残暑お見舞い!工場見学ツアー」報告書(編集後記)

2007.08.18  

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真夏の太陽の下

 残暑お見舞い申し上げます。

 いやーホンマにね、つい先日、うちの実家の「隣町」で日本新記録を打ち立ててしまった程の残暑が続てますけどね、お盆もまともに外に出なかったってゆーのに、なぜかこんな日にわざわざ工場見学。しかも工場見学行く日はいつも必ずあり得ないくらいピーカンの上天気。死ぬ。バテる。頭が茹で上がるー。

 今回お邪魔したのは、大阪八尾市にある金属加工屋さん。テーブルや椅子の脚を作ってます。
 長いこと付き合いのあるところだから、長いことウチに勤務してる人はおよそ見学は済ませてるんじゃないかと思いきや、有志を募ったら来るわ来るわで総勢10名以上!団体行動が基本的にできない自分は、今回ばかりは十分な諜報活動が行えず、その残暑厳しい中、さらに厳しい職場環境を生で体感するにとどまってしまったのが大きな反省点。

灼熱の乾燥炉
灼熱の乾燥炉の向こうに見えるおばちゃん。
熱風にゆらめくその姿はまさに蜃気楼......

 しかし、正直報告書には書けませんが、この職場環境はいったい何なんだ。夏が暑いのは当たり前かもしれん。扇風機や冷風機を設置する努力は認めたい。けど、ここが「人を働かせて良い場所」だとはとても思えません。照りつける日差しを薄いトタンがまともに受け、熱の篭もる工場内の温度計は38℃を超え、さらに塗装ラインともなると内部に300℃近い熱風を送っている乾燥炉の入り口と出口に蓋が無い。サウナ。まさにここはサウナ。

 最近の工場は職場環境が良くなった。という話は良く聞きます。でもそれは、一部の大手企業、あるいはバカほど儲けてる一部中小企業に限った話じゃないのか?と疑わざるを得ません。確かに大きな、しかも熱効率の悪い工場を冷房するのはコスト的にも地球環境的にも厳しいこととは思います。けど、やっぱりまずは「健康で文化的な生活」を営むための最低限度のインフラは設備すべきだと思います。我慢できる程度なら良い。けど、人によっては倒れる、やってけないじゃダメだと思う。コストや地球環境のことは、その職場環境を維持した上で如何に軽減していくかを考えて欲しい。

 なんてことを、きっと同じくらい厳しい職場環境で働いているだろうかつての学友のことを思い浮かべながら考えていました。これって、単なる理想論でしかないのかな?

町工場スナップ
工場って何にも考えなくてもカッコイイ写真が撮れるからすごい。
ちなみにひまわりの花みたいに見えるのは、ガムテープ補修。アートだ。

 悪いことばかり書いたようだけど、逆にこうした「現場の人の努力」に、自分を含めたものづくり社会が支えられているんだなという実感は、何より価値の高いものだと思います。飛躍させれば、彼らの環境改善の一役を、僕の次の一案が担っているのかもしれないし。
 現場をよく知り、ものづくりの工程を知り、あまり無理なく作れる(見込み効果に対する可能な投資リスクで)半歩先の提案をするのが有能なデザイナーだという言葉を頂いたことがあるけど、今はまさにそういう仕事をしていきたい。だからそのためにもっと現場を知りたい、見てみたい、と思います。
 ほら。机の上だけで描いたスケッチを、作れるわけないっていう現場を無視して「そんなはずはない!」どころか「だからやるんだ!」なんてケンカするなんて、傲慢以外の何ものでもないでしょ。まぁそれでも周りを説得して、投資したり技術を開発したり販路を開拓したりしてホントに実現させちゃうのが優れたデザイナーなんだと思うけど。


禁断の部屋

 ぶっちゃけついでに、これがまさにウチの「デスク」ですわ。すんませんなー、整理整頓はめっちゃ苦手やねんで。よーこんなとこでクリエイティブな仕事せいなんて言いますわ。深澤直人さんが見たら卒倒するんとちゃうか? いや、でもね、ひとつ大事なことを言い忘れてるんですわ。この部屋、昨日からエアコンが壊れとるんやで、ここだけの話。

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