という訳で,いつものノリで極限まで細くした脚.が,なんと......折れました.
作ってるうちから諸先生方に「ん~,ちょ~っと,それは保ちませんよ~」と当たり前の指摘を受けていたんですが,そこは若気の至り,構造を工夫すれば大丈夫!そういう不可能を可能にするのがデザインの力なんだ!と言い張って強行突破してみたものの,そんな出鼻もろともさも当然の如くポッキリと小気味よく粉砕されてしまったの図.しょぼーん(´・ω・`).
写真でお判りかと思いますが,折れたのは脚じゃなく,それと蟻桟をつなぐ小さな小さな補助パーツです.ホワイトアッシュともなると,直径20mmでも手や足で曲げたくらいじゃなかなか折れない程度には丈夫だけど,そこからさらに細くしたり穴を開けたりした接合部の強度は比較にならないくらい弱くなると言うこと.そして何より大事なのは,木は自然の作った素材だから均質じゃないと言うこと.同じ一本の材木から切り出しても密で強い部分も疎で弱い部分もある.中には最初からひび割れている場所も,一目では分からないけどいつひび割れてもおかしくない場所もある.そういう不均一さの影響は,パーツが小さくなればなるほど大きくなる.だから他の3本の脚はそこそこ丈夫なのに,この1本だけは軽くコツンと蹴っただけであっけなくポキリと折れてしまったという訳.
そりゃ言い訳はいろいろ言えますよ.そもそも壊れやすい構造をしてることに今更気づいたし,改良案もあるし,自分のだからボンドでくっつけ直すだけで開き直っても問題ないし,小さな部品は特に密で丈夫な部材を選んだら良いんだと職人的な反省することも可能です.けど,今回はあえて素直に「こんなに細く小さくする非常識なデザインが悪い」と結論すべきなんでしょうね.
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痛々しい修復跡(敢えて均さない). 結果的には,折れやすいところを 補強したことになるから自分用には○. コイツにとっては雨降って地固まる. 僕にとってはケガの功名. |
既存の木製品は太くゴツいのばかりだから「細くて華奢なのが新しい!」と飛びつきがちなのは若さ故かもしれませんが,でも「こんなのが無いから欲しい」と思うことは,逆にあるならそれを買えばいいことを考えても,実はほとんど全てのデザインの元凶になっているくらいよくあることなんだと思います.
けどそこでちょっと待て,世の中に無いものを創ろうとするときには,その前に「なぜそれが世の中に無いのか?」を知らなきゃならない.先人達が創ってきたものの陰には,創ろうとしたけど失敗して世に出なかったものがいっぱいある.自分が向かっているのは,先人を越えた新天地じゃなくて,誰もが失敗を繰り返した残骸だらけの地雷原じゃないのか?そんな地雷原に突っ込んでいっても,また1人新たなる犠牲者が出るだけであることは,先人達,先生方にはよ~く見えているから呆れながらも注意してるんだと思う.で,玉砕するのを見てやっぱり呆れるんだと思う.
なんて,実は今回一番良くわかったのは,要するに僕はこうやって実際に自分でやって失敗してみないと学習しない性格だってこと.言われて理解することくらいはできるけど,頭から頭への情報だけじゃたぶん実践の役には立たないんだと思う.ダメなのはわかるけど,どうしてダメなのか,どうしたらそれを回避できるか,本当に注意しなきゃいけないのはどういうところなのか,そういう細かいところは実際やってみないとわからない.実際やってみると意外なところでいろいろ見えてくる.
学生なんだからいいじゃない.自分で使うものなんだから誰に迷惑かけるわけでもない.この程度のことでめげずに失敗覚悟でいろんな変なこと,バカなことにチャレンジ&玉砕し続けようと思います.
#間違ってもどこかの工房のお手伝いとかやっちゃいけない人物だろうなー(w
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