ラブコメの女王メグライアンがそのイメージを根本から打ち砕くべく女優生命を捧げて挑んだ力作.ドキュメンタリー映画「デブラウィンガーを探して」で各女優が口を揃えていたように,十分に成功を収めているように見える彼女たち女優にとっても,だからこそ金のためでも名誉のためでもなく純粋に「女優としての喜び」を味わえるような仕事を求めていると言うこと.本来はニコールキッドマンをイメージして書かれた脚本に,メグライアンがベタ惚れしたのも,まさに彼女がそうしたブレイクスルーを強く望んでいたと言うことではないでしょうか.
見るからに曰くのありそうなニコールキッドマンではなく,ごく普通の(いい年の)女性のメグライアンだからこそ醸し出されるエロティシズム.自分をしっかりと持ち,強い人間関係を求めず,セックスに関してもドライで,でもそんな女性でもごく当たり前のように抱くささやかな肉欲.あまり表に出ないが,内側で渦巻く激しい感情の動きを見事に演じきるのは,さすがベテラン女優のなせる技.
経験豊かな大人のためのラブロマンス.映画としての完成度も高く含蓄に富み文学的.こういう映画こそ大切な人と一緒に観るのに最適だと思います.
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