2006.09.07  

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2006 飛騨・高山 暮らしと家具の祭典

 今ちょうど,9月6日(水)から9月10日(日)までの期間で,毎年恒例のイベント「暮らしと家具の祭典」が開催されています.今年は「木の国デザイン展」という,当学園生と飛騨の各企業に所属する人のクラフト作品展で末席を汚せていただいたり,こっそり会場受付のバイトもやらせてもらってたりしています.

講演会風景(公式HPより抜粋) で,こちら.6日午後に行われた,五十嵐久枝さんと小泉誠さんによるデザインセミナーに参加してきたの図.いやー,お二人の表情が良く見えましたよ.なんて.場所が場所だけにちゃっかり映ってました(w.

 さて,演題の「建築と家具」.要するに家具は単体で存在するんじゃなくて,人が生活の中で使うもの,その生活する舞台となる建築という空間も絡めてデザインしていかなきゃならないということ.これはこの学校に来てからのデザインの講義でさんざん言われてます.言われてますが,でも学校の課題で素人同然の自分が実践しても今ひとつ上手く捉えられなかったんです.だから今回,プロのデザイナーの実例と解説を聞いて始めてそれが見えたのかも.

五十嵐久枝さん baguetteテーブルとベンチ/LuncH店内ワークテーブル

 特に印象的だったのが五十嵐久枝さんのbaguetteおいしいキッチンプロジェクトLuncHでの一連のテーブル.例えばbaguetteテーブルは八角形のテーブルが作りたかったんではなくて,いつも開放的で広々とは限らない日本の住空間に置かれたとき,立ったり座ったりという人の動きをよりスムーズにするために引っかかりとなる角を落としたことから生まれたカタチなんだとか.また,LuncHのワークテーブルは,奥壁面什器やカウンター,入り口や階段の配置から,人の動線を描いていくと必然的にそのカタチが浮かび上がってくるんだとか.

 まさにこの感覚! 僕がここ最近,デザインに取り組む上で漠然と感じていた感覚にまさにピンポイント.何て言うか,最近気づいたのは,デザインとはカタチを「創る」ことだと思っていたけど,実はむしろそれは「探す」感覚に近いのではないかということ.ある空間があり,ある人がいて,ある状況が描かれたとき,そこに存在する「もの」のカタチは,それをデザインしようとする前からそこに存在するんじゃないでしょうか.視点を変えれば,カタチをデザインするのはデザイナーではなく,デザインされるもののまわりにあるありとあらゆるものそれぞれが協力してカタチを創っているように思います.デザイナーはそんな無数の小さな声ひとつひとつに耳を傾け,それぞれが納得いくようなひとつの合意を導いていく,いわば議長のような役職なのかもしれません.

 次回課題作品は,そんな姿勢が反映されたものになるはずです.
 収穫の多い貴重なお話をお聞かせいただいたお二人と,この講演を企画運営された木工連の皆様に感謝して.

(9/8 18:11 追記)
 9日(土)と10日(日)の終日,会場内ミニシアターにて講演の模様をビデオ上映するらしいです.聞き逃した方も,内容を忘れてしまった方も,再聴のチャンス.


キルスティンダンスト

 ソフィアコッポラの最新作が「マリーアントワネット」というニュースを今日知りました.日本公開はいつになるのか知らない,ていうか高山じゃどっちみち観れないだろうけど,期待して待とうか思います.
 むしろヴォーグがキルスティンダンストに中世ドレスを着せてた訳がわかってスッキリしたというか.

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