2006.05.27  

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白トリノとマイシェヴィ

 TRINOスツール.白バージョン.
 真っ白じゃなくて,ほんの少しトーンを落とした,限りなく白に近いウォームグレー.

 基本的に木製家具を不透明に塗りつぶすこと(※塗装屋さん用語では「エナメル塗装」と言います)は,「木で作る意味がない」どころか時には「木製品の最大にして唯一の魅力,木目の美しさを殺すとは何事か!」と言われてしまうくらい非常識なことらしく,学校にも不透明塗料の在庫が無かったり先生もロクに指導してくれなかったり,さらに木目でごまかしの利くクリアや陰翳の見にくい暗色と違ってキズや凹みや塗りむらを極限まで引き立たせる白塗りつぶしの難しさが立ちふさがり,妥協による妥協を重ねても,ずいぶん時間が掛かってしまいました.

白トリノ 僕の中では,不透明塗装は1つのデザイン手段として透明塗装と対等の価値を認めています.木の魅力って木目だけ? いや,その木目が明確に消え去ったとき,それが改めて見えてきて,さらに木目が無くなったことによる魅力も新しく生まれてくるはず.重量や触感は変わりません(塗膜の質や厚さはクリア塗装と同質だから).自然に委ねざるを得ない色調や柄のばらつきを完全に均一にします.けど塗膜で消し去りきれない導管跡が木目のように残ります.
 この「白トリノ」も,もともと端材を使うというコンセプトから,いつも必ずしも美しいパターンが生まれるわけではない,美しくないパターンは不透明着色を施すという目的が,実はストライプパターンよりも先に検討されました.

 とりあえず今回は,それっぽいものを作ってみただけ.けど,不透明塗装の実験も,それが失敗に終わる可能性があったとしても,引き続き検証していきたいと思います.
 何度も塗り重ねたおかげで,スプレーガンの使い方にもずいぶん慣れてきたような気がするし.

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