2006.05.19  

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馬乗り胴付き

 やっとこさ,本組スタートしました.その本組におけるまず第一の難関「馬乗り胴付き」が,思いの外上手くいって,ちょっとご満悦.

馬乗り胴付き 解説

 丸脚に貫を接ぐ方法はいくつかあって,そのうち最も簡単なものがAの追い入れ(大入れとも言う)です.要するに貫と同じかたちの穴を開けて突っ込む.加工は機械で一発なので,量産家具は大体これで済ませています.ただ,丸穴は一般に強度が弱いと言われていて,その欠点を補おうと角ほぞにしようと思ったのがB.これだと特別な機械が無くても丈夫な角ほぞ接ぎができるメリットはありますが,加工の手間が煩雑すぎて実用性は乏しいように思います.
 最後がCの馬乗り胴付き.丸棒に当たる部分(胴付き面)を,丸棒に合わせて丸くしようというもの.ほぞ,胴付きの役割を考えれば,一番当たり前な仕口だけど,それを作るとなると結構やっかいなんです.馬乗り胴付き曲がった胴付きをカットする汎用機械はありません.量産工場では専用で特注できますが,試作ではまず無理.となると,結局行き着くところは「手加工」.そう,1脚およそ10カ所の胴付き面を,1つ1つ小さなノミで丸く削る羽目になりました.

 普通こんな手間の掛かることをやっていたら仕事になりません.学生だからかけられる時間と手間.あるいは逆に,機械でできないところは,無理せずとりあえず手でやってみることが,返って方法をいろいろ悩むよりも早く仕上がったりする.そういう「手加工」は,僕は案外キライじゃありません.まだまだ慣れなくて時間も掛かるしキレイじゃないけど,時間をかければかけただけキレイにできるのも,手加工の魅力の1つかなと思います.

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