2005.10.26  

このエントリーをはてなブックマークに追加  

KARATE CHOP RAG / BY TRICO

 ELLE DECOのバックナンバーを読んでて見つけたラグマット.一枚のゴージャス柄のラグマットを半端丈でぶった切っただけ.それだけ.

 それだけなのに,何でこんなに面白いんだろう.
 カットする,それをセットで販売するっていう発想や,別々に使う多様性を生みつつ一緒に使っても柄の連続性によってそれほど醜くさを感じさせないディテールが,今までありそうでなかったコロンブスの卵的に面白いだけじゃありません.
 例えばこの大きい方がリビングに一枚敷いてあったとすると,その完成されたゴージャス柄から必然的に導かれる全体性から一部分が大きく欠けているという不自然さ,違和感を残します.で,別の部屋に行ってその片割れを発見したときの「あ~なるほど!」という,住んでても招いても招かれてもドキドキの,全く新しい価値観,楽しみ方が生まれます.
 これは決して無地のラグじゃ生まれません.個性ある強い柄だからこそできる.そういう必然性があるから,こんなゴージャス柄のラグになんて全く興味の無かった僕でさえ「ちょっと欲しいかも」と思ってしまう.楽しい使い方を想像するという楽しみを提供してくれています.

 カタチ,柄,その他全ての要素に必然性があり,なおかつ古いデザインボキャブラリーを完全に覆して新しい価値観を提案する.このラグは,単にカットしただけじゃない,お手本のようなグッドデザイン製品ではないでしょうか.


板取図

 あらゆるカタチ,寸法などのディテールに意味や必然性が要るとは言わないけれど,ある程度の範囲で自由に決められる寸法があるときは,もっと他にその寸法を制約する条件がないか探してみるのもひとつの手段だと思います.
 設計中の引出の奥行きが「A3書類が入る」下限310mmという制限しかなく決めかねていたので(それが天板サイズに直結したとしても,ついでにペンを入れるゆとりが欲しいとしても「ゆとり」は実際どのくらいでも良いような気がしたりして),底板がサブロク合板から5枚キッチリ取れる360mmに仮設定してみました.

 いいじゃん.ちょっとくらい作り手の都合でデザインしたってさ....

SHARE THIS ARTICLE

  • ブログランキング・にほんブログ村へ

COMMENT AND SHARE

COMMENT

POST A COMMENT

TRACKBACK PINGS

TRACKBACK URL:

http://www.k-en.net/blog3/mt-tb.cgi/4