2004.12.04  

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 「これからはデザインの時代だ」とは,1951年にアメリカ視察からの帰りの羽田空港で開口一番に発した松下幸之助の歴史に残る名セリフだけど,つまり彼は当時50年も時代の先を行っていたということです.マネジメントでもマーケティングでもブランディングでもなく,今がまさに「デザインの時代」の真っ只中だから.
 ユーザーの欲しい物を綿密に調査してそれに応えようというのではなく,今まで全く考えもしなかった新しい価値観を提案することで,ユーザーの隠れたニーズを掘り起こすことができるのがデザインの力.飽和しつつある「携帯電話=携帯型コミュニケーション端末」としての機能的価値観の追求をあえて捨てることで「携帯なんてほとんど使わん」と普段から触れ回っている自分でも欲しくなっちゃうという仕組み.普段から携帯音楽プレイヤーを使わない下手したら自動車通勤のおじさんですらついつい買ってしまうiPodのように.
 本当に必要な物は何かを必死になって考えるのもデザインの仕事なら,本当は必要がない物を催眠商法的に買わせようと必死になるのも,実はデザインの仕事だったりする訳です.

 そのうち「話せりゃいいやん.電話やし.」と真逆の価値観を追求し,ほとんど話ができない携帯が登場しても,きっと驚くことは何も無いと思います.

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