2004.10.07  

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Tokyo Designers Block 2004

 デザイン業界ていうのはブランド業界に近い領域もあり,たとえば六本木ヒルズに象徴されるように,いわゆる「セレブ」と呼ばれるような人による,セレブのためだけに提供される,提供されるべきものという雰囲気を感じる時がある.もちろんそれは,たとえばヴィトン他のブランドがそのイメージアップのためにセレブを金で集めて催すパーティみたいなのはあって当たり前という意味では肯定的である.けど,まさかそれを,このTOKYO DESIGNERS BLOCKで感じるとは思いもしなかった.

 TDBは明らかに変わった.去年は青山をちょっと歩いただけで,至る所で小規模だけどまだ駆け出しアーティストなりの熱の入った展示が観られたはずだった.そう,まず協力店が減った.展示の規模も勢いも衰えた.そして逆に,お約束程度のとりあえず展示,大企業の新しい商品やイメージアップのタイアップなどのいかにも商業的な臭いがきつくなった.一般観客に対するアートやデザインに関するガイドなどの親身度が失われたどころか,大々的にアピールしてる公式イベントで一般客を閉め出す始末.
 夕方から俄然増えてきた,仕事帰りに「楽しそうなデザインイベント」に足を運んだような一般観客が,一体これの何を楽しんで家路に就くことができたんだろうか.なんて言うか,舐められてるんだろうか.だんだんそんな気分になってきて,行き場のない憤りを感じずにはいられなかった.

 「デザインが街を変える」をテーマに掲げるTDB.つまりその「変わった街」とは一般人を郊外へ追い出した末の一部特権階級のためだけの街と言うことなのか.デザインは金持ちだけのためのものなのか.僕が将来そこへ入れるか否かに関係なく,つまり内からでも外からでも,そんなコミュニティは存在してほしくない.
 IDEEはどこへ行くつもりなんだろう.デザインは,誰のためにあるものなんだろう.

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