最近「テクノ」が面白いと思う.
いわゆる80年代からのダンス系サウンドから派生して,ジャズやヒップホップやブレイクビーツのクラブサウンドの潮流から逸脱して,純粋に「音楽」,音の楽しさ,あるいはファインアート的な音の美しさを現代美術的に追求している唯一の音楽が,最近の「テクノ」なのだと.
と思っていたら,まさにこのCDのライナーノーツでの解説で,野田努氏が150%くらいで代弁してくれてました.今,世間一般では「テクノ」とは旧世代のディスコサウンドを指し,より広い意味での電子音楽一般を「エレクトロニカ」と言うらしいけど,なんか僕にはしっくり来ないんですよね.「エレクトロニカ」はブレイクビーツ主体のクラブ系音楽.そして「テクノ」が,70年代から脈々と進化を続ける電子音楽の大潮流.
話が逸れましたが,このREI HARAKAMIのCDはまさにそんな「テクノ」なサウンドの代表格.
よく「水彩画のような音楽」と表現されてます.ミニマルで,必要最小限の音で,即興的で,でも確固とした感性による確信的選択と配置によって,繊細で,それでいて力強さも併せ持つような音楽.機械を使っていても,それはむやみに音を塗り重ねていくためではなく,あくまで「電子音」の持つ表現力を作品とするためのツール.
ビートが複雑で踊れないし,何故か聞き流せないのでBGMにもならず,ただ,手を止めて,照明を落として,リラックスして,どっぷりとその世界に浸って脳みそを解かしちゃってください.
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