2004年9月

きょうのできごと

2004.09.30 | Comment | Trackback Ping

『きょうのできごと』(2003年日本)  行定勲,妻夫木敏,田中麗奈,池脇千鶴,山本太郎に北村一輝という邦画ヤングチームが送る,仲間の引越祝いに京都のボロ屋で飲み会をするという,ただひたすらにオチもなくイミもなくヤマもない日常を描いた映画.  つまり「そうか,こんな生き方もあるのか」みたいなこと.今っぽい人生のサンプル集.共鳴できる経験は何もないけれど,片意地張って生きるのはむしろバカらしく自分に...

25時

2004.09.18 | Comment | Trackback Ping

 麻薬不法所持で24時間後に7年間収監されることになった男.ウォール街で証券マンとして充実した独身貴族生活を送る親友.生徒に色目を使われてまごまごする冴えない高校教師のもう一人の親友.彼らと,彼らの様々な関係者と,9.11テロの傷跡が生々しく残るニューヨークに渦巻く怒りと悲しみを材料にして,一人の人間のおよそ80年というユニークな物語を紡いでいくこととはどういう事かを問う映画.  スクリーンを満...

REI HARAKAMI / レッドカーブ

2004.09.14 | Comment | Trackback Ping

REI HARAKAMI 『レッドカーブ』  最近「テクノ」が面白いと思う.  いわゆる80年代からのダンス系サウンドから派生して,ジャズやヒップホップやブレイクビーツのクラブサウンドの潮流から逸脱して,純粋に「音楽」,音の楽しさ,あるいはファインアート的な音の美しさを現代美術的に追求している唯一の音楽が,最近の「テクノ」なのだと.  と思っていたら,まさにこのCDのライナーノーツでの解説で,野田...

私は「うつ依存症」の女

2004.09.01 | Comment | Trackback Ping

『私は「うつ依存症」の女』(2001年アメリカ)  人間の感情は常に1つではなくて,何種類かのしばしば相反する感情が,不安定なシーソーのようにあっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら,ある割合と確率で同時に存在しているんだと思う.自分よりも何よりも我が子の幸せを願う気持ちと,自分の満たされ無さを我が子の成功という目標を立てることによって埋め合わせようという気持ちが同時に存在し,絶えずどちらにも定ま...