Compact Monitor N2  

2006.7. 5 23:00 .

Compact Monitor N2
PRODUCTSIZEMATERIALPRICE (Tax Incl.)
Compact Monitor N2115W 158D 230H Ash (Black)¥39,900

 FOSTEXのフルレンジユニットFE83Eのための,コンパクトで美しいスピーカー.オーソドックスなバスレフで奇をてらわず,シンプルなデザインでリビングにさりげなく佇まう.そんな「ふつう」を実現するための,設計も構造も作り方も仕上げも「ふつうじゃない」自作スピーカーNEGROコンセプトの後継機です.

 テーパードキャビネットの構造,ウレタンブラック塗装仕上げの基本はそのままに,外殻をMDFからタモ無垢材に変更,キャビネットプロポーションをややどっしりめにボリュームアップ.塗装仕上げも鏡面仕上げ(刷毛塗り)からセミオープンポア仕上げ(スプレー塗り)になって,色目もやや暖色寄りに調色して落ち着いた雰囲気になりました.

周波数特性
周波数特性(軸上50cm ピンクノイズ)

 ローエンドがカクッと落ちていた感のあるNEGROと聞き比べてみると,ずいぶん低域の耳あたりが良くなり,聴き疲れしない素直な音になったと思います.
 測定で比較してみると,65~100Hzが最大で3dBくらい上がってます.特にそれによって65~80Hzあたりが中域と同程度のレベルを確保できていて,新作のバランスの良い低域レスポンスを裏付けてるんではないでしょうか.
 高域の落ち込みはユニットの特性なんすかね~.ツイータ足すほどではないにしても,イコライザで補整した方が聴感としてはぐっと良くなります.

WMPイコライザ推奨設定
WMPイコライザ推奨設定

木目の見えるソリッドブラック塗装

仕上げディテール 今回の仕上げは導管の跡を残したセミオープンポアのブラック不透明着色仕上げ.導管のハッキリした環孔材ならではの木目が浮き出た美しい仕上げ方法.アズール仕上げとも言うらしく,フリッツハンセンのスタッキングチェアや,サイトーウッドのゴミ箱なんかで有名です.

 作業工程は,下塗り(ウッドシーラー)→中塗り(サンディングシーラー)→上塗り(着色)→上塗り(クリア)の4回塗り.下塗りの前の目止めを省くことで導管が埋まりきらずセミオープンポアになります.今回は下塗りと中塗りにも着色剤を入れて下地着色をしましたが,完成時の仕上がりには影響がないので省略可能です.上塗り1回目には,顔料系染料系両方の黒をたっぷりと投入(クリア50gに対し顔料染料2g+4gくらい).上塗り2回目は艶の調整と,1回目にこっそり入れたゴールド顔料を浮かせる目的で塗ったけど,結局ほとんど浮かなかったので艶が気にならなければ省略可能です.

※木材がもともと黄色いからか,着色剤の黒はそのままだとかなり青みがかってます.けど白っぽいタモには青すぎるので黄色を数滴入れてウォーム系の黒へ調整しています.

 DIYでトライする場合は,ラッカー系スプレー缶のサンディングシーラーを吹いて240番くらいで研ぎ落とす(厚塗りして9割がた落とす要領で)作業を2回くらいして,不透明のラッカースプレーで仕上げてみてください.キレイに仕上げるコツは下地処理にかかっていることを肝に銘じて.どう考えても刷毛は使うべきじゃないと思います.

コンパクトスピーカーの音作り

意匠図面 平面図 外殻に使ったタモ材は見た目優先です.合板よりは堅い材料ですが,家具用広葉樹としては柔らかい部類で,9mmという厚さからもそれほど音質には帰依してないかと.ので,キャビネット剛性は旧NEGROと同様に,MDFの中仕切に頼っています.今思えば,9分板(27mm厚)2枚挽きで11mmは確実に取れるので,旧作と同じ9mmという規格サイズにする意味は無かったかもしれません.

 キャビネットは約2リットルにΦ30×L120くらいのパイプが付いて,共振周波数は88Hzくらいを想定しています.標準箱が5リットルで97Hzであることを思えば,ちょっと下過ぎるように思うかもしれません.けど,所詮標準箱の半分以下の小箱ではどうあがいても出ないものは出ないんですよ.そこを無理に共振周波数を上げると,旧NEGROのように中抜け,ローエンド急落みたいな特性になってしまいます.だから思い切って共振周波数を下げて,無理のない,だら下がりの特性を狙いました.これだと確かに相対的量感は劣るけど,中域からベースラインまで聴き疲れしない素直な音を聴かせてくれます.
 結果的にコンパクトモニターとして,セカンドシステムとして,自分用にもう一台作っても良いかなぁと思えるような音に仕上がり,狙いとしては成功したんではないでしょうか.

 根本的には,FOSTEXのユニットはこんな小さな箱に入れちゃイカンのでしょうけども.ユニットのサイズにはアンバランスなくらい大きくて複雑な箱.市販スピーカーデザインの本流から外れた,そうした自作ならではの手間暇惜しまない箱に入れてこそ,その期待に応えるユニットなんだと思います.

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